連続テレビ小説103作目『おちょやん』
女優の道を生き抜き「大阪のお母さん」と呼ばれるまでになった、ひとりの女性の物語。女優の道にすべてを懸けるヒロイン・竹井千代は、喜劇界のプリンス・天海一平と結婚し、自分らしい生き方と居場所を見つけていきます☆今回は、そんな千代が結婚する天海一平の実在モデル(実話)に注目してみました！
ということで、天海一平の実在モデル「渋谷天外」さんの生涯・家系図・妻や子どもの現在について紹介します☆
※3代目・渋谷天外さんが、新型コロナウイルスに感染したと発表されました。「おちょやん」については、出演シーンは昨年中に撮影を終了していて影響はないとのことです。
渋谷天外の生涯について！
手元にある、昭和35年1月の京都・南座での松竹新喜劇の公演プログラム。
渋谷天外(二代目)、曽我廼家明蝶、曽我廼家五郎八、石河薫が中心。天外と共に松竹家庭劇、松竹新喜劇を支えてきた曽我廼家十吾は同31年に退団し、翌32年に第2次 松竹家庭劇を旗揚げしていた。#新喜劇 pic.twitter.com/ChXVzR5biB— 西条昇の浅草エンタメ散歩 (@saijoasakusa) July 21, 2018
おちょやんに登場する天海一平の実在モデルは、竹井千代のモデル・浪花千栄子さんと結婚し「松竹新喜劇」を創立した二代目の”渋谷天外”さんです。
初代・渋谷天外さんの長男として、1906年(明治39年)6月7日に京都市で生まれました。本名は、渋谷 一雄(しぶやかずお)です。渋谷天外さんは8歳の頃、父親が主催する劇団「楽天会」の子役が亡くなったため、急遽代役として初舞台を踏むことになり役者デビューしました。しかし、10歳の頃に父親が死去してしまいます。
その後、渋谷天外さんは芝居喫茶「岡島」に居候し、各地で巡業を続けました。この時に、向かいにある「浪花料理」でおちょやんをしていた浪花千栄子さんと出会います。そして、16歳の頃に「楽天会」が解散。
しばらく舞台から離れましたが、1922年(大正11年)に「志賀廼家淡海一座」へ加わり、曾我廼家十郎さんの勧めで脚本を書くようになりました。この頃、男が女役をする”女形”が一般的でしたが、曾我廼家五九郎さんは女形を排除し女優を起用して大成功を果たします。
それを知った渋谷天外さんは、座長・志賀廼家淡海さんに「女形は排除して女優を起用したほうがいい」と訴え、女優が起用されるようになりました。しかし、女形を排除＝女形はクビということになるので、渋谷天外さんは怒った女形に囲まれボコボコにされてしまします。
その後、1928年(昭和3年)には曾我廼家十吾さん・石川薫さんらと「松竹家庭劇」を結成し、翌1929年に”二代目・渋谷天外”を襲名。24歳の時には、女優となった浪花千栄子さんと結婚しています。
1946年(昭和21年)に「松竹家庭劇」を脱退した渋谷天外さんと浪花千栄子さんは、劇団「すぃーとほーむ」を結成し、地方巡業をしていました。そんな中、1948年(昭和23年)に「曾我廼家五郎劇」と「松竹家庭劇」が合併し、「松竹新喜劇」を旗揚げ。この際、二人も松竹に呼び戻され旗揚げに参加しています。
しかし「松竹新喜劇」が軌道に乗り始めた頃・・・渋谷天外さんが、浪花千栄子さんの弟子・九重京子さんと不倫し、子どもができたと判明。浪花千栄子さんは看板女優となっていましたが「松竹新喜劇」を退団し、離婚しました！
不倫が原因で看板女優を退団させたと大きな批判を浴びることとなった渋谷天外さんですが、「桂春団治」が大ヒットし脚本家として注目されるように。その後も方向性の違いから看板役者の曾我廼家十吾さんが退団するなど再びピンチが訪れますが、渋谷天外さんは弟子的存在で人気俳優となる藤山寛美さんとのコンビで人気を呼びました。
そうして看板俳優兼作家として大活躍するようになった渋谷天外さんは、1965年(昭和40年)に「(株)松竹新喜劇」を設立し、常務取締役に就任。松竹新喜劇の人気は急上昇していきました。しかし、激務をこなしていた渋谷天外さんは公演中に脳出血で倒れ入院してしまします。この時、常務取締役から社長へと就任しました！
一方、藤山寛美さんは多額の借金や暴力団との関係が問題となり、専務の勝忠男さんに解雇されてしまいます。藤山寛美さんを復帰させたい渋谷天外さんは、反対派の勝忠男さんと対立。そこで「(株)松竹新喜劇」を解散して、松竹の劇団「松竹新喜劇」として再出発することにしました。
そうして復帰した藤山寛美さんは、渋谷天外さんの代わりに座長として松竹新喜劇を盛り上げていきます！その後は渋谷天外さんも舞台復帰し、1968年(昭和43年)に紫綬褒章・1977年には、勲四等旭日小綬章を受章しました。
1982年(昭和57年)渋谷天外さんは、人間ドックを受けるために入院したのですが胃潰瘍による出血で危篤状態となります。そして、1983年(昭和58年)3月18日に心不全により76歳で死去しました。
「渋谷天外」の家系図をチェック！
【初代・渋谷天外さん】
1882年2月2日生まれ、和歌山県出身！本名は渋谷博喜智です。2歳の時に、渋谷家の養子となりました。劇団「楽天会」の主宰者として舞台で活躍していましたが、1916年12月18日に死去。
【二代目・渋谷天外さん】
3か月のときに、父・渋谷博喜智が再婚。小さかったため、再婚相手の北村ウノさんを実母だと思っていたそうです。
妻や子どもの現在は？
元妻：浪花千栄子
1907年11月19日に大阪で生まれました！本名は、南口キクノです。養鶏業を営む家に生まれ、8歳の時に道頓堀の仕出し弁当屋に女中奉公に出されました。18歳のとき、知人の紹介で「村田栄子一座」に入った浪花千栄子さんは、女優として活躍し始めます。『帰って来た英雄』では、準主役に大抜擢されるなど順調に働いていました。しかし、給与未払いなどの問題があり映画界から足を洗うことに・・・。
1930年からは、二代目・渋谷天外さんと曾我廼家十吾さんらが旗揚げした「松竹家庭劇」に加わり、舞台で活躍するようになりました！その後、渋谷天外さんと結婚し「松竹家庭劇」や新しく旗揚げした「松竹新喜劇」の看板女優として活躍。
しかし、渋谷天外さんが浪花千栄子さんの弟子・九重京子さんと不倫して子どもができたと判明しました。浪花千栄子さんは看板女優となっていましたが「松竹新喜劇」を退団し、離婚！そして、芸能界からも身を引きました。
そんな浪花千栄子さんに声をかけたのが、NHK大阪放送局のプロデューサー・富久進次郎さん。NHKラジオの『アチャコ青春手帖』の出演依頼をしたのです！浪花千栄子さんは、それをきっかけに花菱アチャコさんの母親役として出演し、大ヒットを記録。その後も、映画やドラマなどで人気女優として活躍しました。
1973年12月22日、消化管出血のため66歳で亡くなっています。
後妻：九重京子
1921年10月1日に、大阪府大阪市大正区で生まれました。本名は、渋谷喜久栄です。大阪松竹歌劇団で男役として活躍していましたが、1948年から「松竹新喜劇」へ入団しました。そこで二代目・渋谷天外さんと出会い、愛人を経て結婚しました。
その後、長男・渋谷成男さんと次男・渋谷喜作さんを出産！2015年4月5日に死去しました。
長男：渋谷成男
1950年12月に、二代目・渋谷天外さんと九重京子さんの長男として誕生しました。しかし情報があまりなく、詳しい生い立ちなどがわかりませんでした。
渋谷成男さんは、渋谷天外さんに役者に向いていないと言われたことがあったようです。しかし、渋谷成男さんは「当たらないと貧乏しないといけないような仕事はしたくない」と思っていました！
次男：渋谷喜作
1954年12月1日に大阪で、二代目・渋谷天外さんと九重京子さんの次男として生まれました。何も知らないまま、3歳で舞台デビュー。大学在学中は、見よう見真似で喜劇の台本を書くこともあったようです。
1977年に大学を卒業し、正式に「松竹新喜劇」へ入団しました。藤山寛美さんに”渋谷天笑”と名付けてもらい、テレビでも活躍するようになりました。1991年から「新生松竹新喜劇」の代表に就任し、翌1992年から”三代目・渋谷天外”を襲名”しています。
詳しい情報はないのですが・・・。三代目・渋谷天外さんは、先妻との間に2人の娘さんがいます。しかし、芸能活動を行っていないことから、松竹新喜劇の俳優・胡蝶英治さんが”渋谷天笑”を襲名しました！
1992年9月に松竹新喜劇の女優・滝由女路さんと再婚し、2人の娘は引き取っています！滝由女路さんは結婚を機に退団し、渋谷天外さんを支えていましたが2018年6月8日に死別しました。
三代目・渋谷天外さんは、連続テレビ小説4作にも出演！そして今作「おちょやん」にも守屋 役として出演することが決まっています！
●都の風/忠七 役
●和っこの金メダル
●まんぷく/熊倉源三郎 役
●スカーレット/城崎剛造 役
#スカーレット【渋谷天外】丸熊陶業社長と待遇面で揉めている 絵付職人 城崎組の親方・城崎剛造。演じているのは 渋谷天外さん。実は松竹新喜劇の三代目の代表で、3歳の頃から新喜劇の舞台に立っている大ベテランの喜劇役者です。#まんぷく では萬福夫婦がラーメン研究の為に訪れた屋台の店主でした。 pic.twitter.com/CsL3IYYzaY
— ひぞっこ (@musicapiccolino) November 5, 2019
まとめ
今回は、おちょやんで登場する天海一平の実在モデル”二代目・渋谷天外”さんについて紹介しました☆浪花千栄子さんとは・・・不倫が原因で離婚していましたね。おちょやんでも離婚する可能性が高いと思いますが、二代目・渋谷天外さんの生涯がどのように描かれていくのか注目しましょう！最後まで読んでいただき、ありがとうございました☆
